スマホ証券ってどうよ?

コラム
この記事は約7分で読めます。

ハシオ
ハシオ

こんにちは、ハシオです。

 皆さんは、どこの証券会社を利用していますか?

 ネット証券会社の口座開設数ランキングを見ると、

1位SBI証券約1370万口座←当ブログ推奨
2位楽天証券約1200万口座←当ブログ強く推奨
3位野村證券約590万口座
4位SMBC日興証券約400万口座
5位大和証券約320万口座
6位マネックス証券約270万口座←当ブログ強く推奨
7位三菱UFJeスマート証券約180万口座
8位みずほ証券約170万口座
9位松井証券約160万口座
10位タイPayPay証券約110万口座
10位タイ三菱UFJモルガン・スタンレー証券約110万口座

という順になっています。 

※2025年4月時点で、ハシオが調べた範囲で最新の数字です。間違いがあれば、申し訳ありません。

 今日、注目したいのは、10位タイに食い込んできているPayPay証券についてです。

 PayPay証券は、ここ数年で伸びてきた「スマホ証券」の代表格です。

 スマホ証券は、ネット証券から派生して誕生した新しいタイプの証券会社で、ここ数年で急激に勢いを拡大しています。

ハシオ
ハシオ

そこで、今回は「スマホ証券ってどうよ?」というテーマで考察したいと思います。

 ネット証券もスマホ証券も、結局オンラインで完結する点は一緒なので、何が違うの?と思う方もいるかもしれません。

 実際、ネット証券もスマホから取引できるアプリを提供しているので、たいした違いはないように思えます。

 では、実際に買い注文の画面で違いを見てみましょう。

 まずは、ネット証券大手の楽天証券のアプリ「iSPEED」の注文画面です。

(引用元:iSPEED操作ガイド)

  

 続いて、PayPay証券の[PayPay証券アプリ]の注文画面です。

(引用元:PayPay証券ホームページ)

 いかがでしょうか?

 「PayPay証券アプリ」は銘柄選択から買付まで3ステップで完了するのに対して、楽天証券の「iSPEED」は操作回数が多いですね。

 明らかに「PayPay証券アプリ」の方が、手続きが簡単であることがわかります。

 決して「iSPEED」は評判の悪いアプリではありません。

ハシオ
ハシオ

 しかし、なぜここまで「PayPay証券アプリ」と使い勝手に差が出てしまったのでしょうか?

スマホ証券の強みは、最初からスマホでの取引を前提としている点です。

スマホの小さな画面でも操作しやすいように、機能を非常にシンプルにしています。

 例えば、「iSPEED」の最初の画面を見ると、現物取引か信用取引を選択する仕様になっています。

 これに対して、PayPay証券では、信用取引を取り扱っておらず、現物取引しかできないため、選択画面は出てきません。

 さらに進むと、「iSPEED」では、指値注文か成行注文かを選択する画面が出てきます。

 指値注文とは、購入(又は売却)する金額を指定する注文方法です。指値注文は、買い注文であれば指値以下の株価にならない限り注文が成立しないので、自分が買いたかった金額よりも高値でつかまされることはありません。

 一方、成行注文とは、金額を指定しない注文方法です。買い注文であれば、最も低い価格で出ている売り注文に対応して、即座に注文が成立します。金額に関係なく、確実のその株を購入したいときに有効な注文方法です。

 しかし、これもPayPay証券では成行注文にしか対応していないので、やはり選択画面が出てきません。

ハシオ
ハシオ

現物取引しかできない、成行注文しかできないPayPay証券は、不便な証券会社でしょうか?

 投資歴が長い方は、そう感じるかもしれません。

 これまでの証券業界の常識では、「iSPEED」の注文の流れがごく一般的で、私も最初にPayPay証券の注文画面を見たときは、「何なの、これ⁉」と驚きました。

 しかし、これから投資を始める人も同じように感じるでしょうか?

 むしろ、「信用取引とか、指値・成行とかよくわからないんですけど…」と考える可能性もあります。

 そんな人にとっては、難しいことを聞かれずにサクッと注文できるPayPay証券の方が親しみやすいかもしれません。

 PayPay証券は、そんな投資初心者をターゲットに、あえて機能を限定する戦略をとり、スマホの小さな画面でも操作しやすいシンプルなアプリを作り上げたのです。

 他にも、PayPay証券は、あえて取扱銘柄を厳選し、顧客が銘柄選びに困らないようにするなどの工夫もしています。

ハシオ
ハシオ

私は、PayPay証券の戦略は、きちんとターゲットを絞って、他社とは差別化されたサービスを提供しており、存在価値のある証券会社だと思います。

当ブログの見解

ハシオ
ハシオ

ただし、当ブログとしてPayPay証券を推奨するかというと、正直に申し上げて、オススメできません。

 それは、戦略の問題ではなく、投資哲学の問題です。

(PayPay証券ホームページ)

 同社のホームページを見ると、「誰もが資産運用をはじめられる世界へ」というキャッチフレーズが先頭に出てきます。

 この理念については、私も賛同します。

 しかし、私が気になったのは、その下の

「厳選した銘柄からチョイスして金額を決めるだけ。
誰でもカンタンに資産運用をはじめられるサービスです」

の部分です。

ハシオ
ハシオ

え⁉
………投資で一番難しいのが「銘柄をチョイスして金額を決める」ことだと思うんですが。なのに、「だけ」とか「誰でもカンタン」なんて言っちゃっていいの?

ハシオ
ハシオ

 なんだか、ブラック企業が本当は激務なのに「〇〇するだけの簡単なお仕事です」って求人広告を出しているのと同レベルの発言では?

 さらにホームページを下の画面に進んでいくと…

(PayPay証券ホームページ)

…「お買い物のついでに、かしこく、おトクに投資を。」

ハシオ
ハシオ

お買い物のついで?
ハシオは、投資とは「経済的にも精神的にも自由で豊かな生活を獲得するための手段」だと考えています。なので、ある企業の株を購入するときは、検討に検討を重ねた上で、判断します。

 私にとっては、到底「ついで」でできるような話ではありません。

 「あ、ポイント貯まったから、前から気になってたこの株買っちゃお♪」

 なんて投資は、「かしこく」もありませんし、「おトク」な結果になるとも思えません。

ハシオ
ハシオ

投資初心者をターゲットにするという発想は、投資の裾野を拡大するためにも大賛成です。

 しかし、同社のやり方は、素人を罠に誘い込むような手口にしか思えません。

 それに、そもそもPayPay証券で投資すると、本当におトクなんでしょうか?

PayPay証券楽天証券(ゼロコース)
日本株売買手数料基準価格×0.5%無料
米国株売買手数料($2.22~$4444.45)基準価格×0.5%約定代金×0.495%
為替手数料35銭/米ドル25銭/米ドル
入出金入金取引手数料相当額 (銀行振込も自己負担)無料 (銀行振込は自己負担)
出金(みずほ銀行宛3万円未満)110円無料

 PayPay証券と楽天証券(ゼロコース)の手数料を比較すると、楽天証券の方が明らかにコスト優位であることがわかります。

ハシオ
ハシオ

基準価格の0.5%の手数料って、1000円の株を買ったら5円とられるという意味ですから、けっこう高いと思いますよ⁉
これのどこがおトクなのか、説明してもらいたいです。

結論

 結局、よく勉強もせずに「手軽に投資できるから」という理由でスマホ証券に口座を開設してしまう人は、若かろうが、スマホを使いこなせようが、投資に関しては情報弱者です。

 そして、対面型証券が「富裕層のお年寄り」をカモにしているのに対して、スマホ証券は「お金を持っていない若者」をカモにしているというのが私の考えです。

 本当に「誰もが資産運用をはじめられる世界」を目指すなら、これから投資を始める人に、きちんと投資に関するリスクを説明し、投資の方法についても教えるべきなのに、それをせずに、ただ買い物感覚で簡単に始められると宣伝するのは、賛同できません。

 老子の言葉で「魚を与えるのではなく釣り方を教えよ」という格言がありますが、釣り方(銘柄の選び方や売買するタイミングの見極め方)を教えないどころか、海で溺れる危険性(投資に関するリスク)も伝えずに、高性能の釣り竿(簡単に注文できるアプリ)だけ与えて大海原に送り出すようなやり方には共感できません。

 これから投資を始める方は、まず基本的な知識を身につけてくださいね。

 知識がない限りは、どんなに良い釣り竿をもらっても、大きな魚(利益)は手に入りません。

 下手に足を踏み入れると、海にはたくさんのサメがあなたを狙っていますよ。

※本ブログは、個別企業について投資(又は投資しないこと)を推奨するものではありません。

 投資判断は自己責任でお願いします。

本ブログは、個別企業について、投資すること(又は投資しないこと)を推奨するものではありません。また、株価の操作を目的としたものでもありません。本ブログ記載後のあらゆる相場変動について、本ブログには一切の責任がありません。
投資判断は自己責任でお願いします。

タイトルとURLをコピーしました