破滅につながる行動 [②暗号資産取引]

コラム
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ハシオ
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こんにちは、ハシオです。

 このブログを読んでくださっている方の中には、「一刻も早く大金を稼いでFIREしたい!」と思っている方も多いかと思います。

 しかし、これから紹介するやり方は、大金を稼ぐどころか、あなたを借金漬けにしてしまうかもしれない方法なので、絶対にやめましょう。

ハシオ
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前回は、信用取引の危険性についてご紹介しました。
今回は、その2として、暗号資産取引の危険性をご紹介します。
なお、投資家で世界一の大富豪・ウォーレン・バフェットも、ビットコインについて、「殺鼠剤の2乗」という表現で批判しています。

② 暗号資産取引

 暗号資産とは、ブロックチェーン技術を使った、インターネット上で流通するデジタル通貨です。

 以前は「仮想通貨」と呼ばれていましたが、2020年に資金決済法が改正され、「暗号資産」という呼び方に代わりました。

 代表的な暗号資産としては、「ビットコイン」や「イーサリアム」が挙げられますが、それ以外にも世界中に約1万種類の暗号資産が存在します。

 暗号資産のメリットは、ユーザー同士で直接送金や決済ができる点です。

 従来の銀行システムでは、振込手数料(海外に送金する場合は両替手数料)がかかりますし、送金から着金までにも時間差があります。

 しかし、暗号資産の場合、取引所口座を介して金額を入力するだけで、相手が海外にいても、24時間いつでも送金可能です。しかも、暗号資産は、電子上で流通しており、「現金」という保管コストがかからないため、手数料もほとんどかかりません。

 また、株の場合、基本的には証券取引所の取引時間である平日の昼間しか売買できませんが、暗号資産は24時間365日取引可能です。

ハシオ
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こうした利点から、最近、暗号資産の価値は急上昇しています。

 こちらは、ビットコインの10年チャートです。

(Investing.com ホームページより)

 2015年7月1日に1Bit=227.3円だったのに、2025年4月1日は8万円を大きく超えています。

 この数字だけ見ると、「10年前に買っておけば大儲けだったじゃん⁉」と思うかもしれませんね。実際、暗号資産取引で「億り人」になった人の話をニュースで見たこともあります。

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しかし、そもそも、暗号資産の価値はどうやって決まるのでしょうか?

 円やドルなどの法定通貨は、景気の動向などを鑑みて、中央銀行が発行枚数を調整します。しかし、暗号資産はどこかの国の中央銀行が管理してくれているわけではありません。

 つまり、その気になれば、開発者がいくらでも発行することが可能です。

 ただし、際限なく発行すれば、インフレ状態となり、暗号資産の価値は下落してしまいます。

 そこで、ほとんどの暗号資産は、あらかじめ発行枚数の上限がプログラミングされており、希少価値を維持しています。例えば、ビットコインは、発行上限枚数が2100万枚と決まっており、現在、約1900万枚が発行されています。

 つまり、トレーダーは、世界中でたった2100万枚しかない貴重なビットコインがほしくて、毎日取引をしているというわけです。

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これは、金やダイヤモンドなどの貴金属や、絵画・彫刻などの美術品の取引にも似ていますね。

 絵画といえば、有名な画家ピカソの作品は、2021年に3462ロットの作品が販売され、最高落札額の作品は約113億円で取引されたそうです。

ピカソの絵を買う人たちの中には、3種類のタイプがいます。
まず、ピカソの絵が大好きで、高いお金を払ってでも手に入れたい人たち。
次に、ピカソの絵に興味はないけれども、ピカソの絵を保有していることにステータスを感じている人たち。
最後に、彼らにもっと高いお金で転売しようと思っている人たち。

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さて、ここで、ある日突然、最初の「ピカソの絵が大好き」という人たちが全員、「ピカソの絵、好きじゃなくなった。もういらない」と思ったとしましょう。(すいません!)
すると、何が起きるでしょうか?

 もちろん、ピカソの絵がいらなくなってしまった人たちは、絵を売ってしまおうと考えます。

 次に、「ピカソの絵を持っている自分、かっこいい」と思っていた2番目の成金グループは、もはや誰も褒めてくれる人がいなくなってしまったので、絵を保有している意味がなくなり、売ってしまおうと考えます。

 そして、彼らに転売しようと考えていた最後のグループは、あてが外れて大損失を被ります。 

 これがいわゆる「バブル崩壊」という現象です。

 日本でも1980年代から90年代にかけて不動産バブルが起きましたが、過去にはもっとくだらないものでバブルが発生したという記録があります。

 16世紀中頃、ブスベックという薬草学者が、オスマン帝国(現在のトルコ)からウィーンにチューリップの球根を持ち帰りました。その後、チューリップは、あっという間にヨーロッパ中に広まり、人気が出るようになりました。

 特に、オランダでは、東インド会社が大量のチューリップの球根を持ち帰り、一般庶民もチューリップに熱狂したそうです。最終的には、「チューリップの球根1個と12エーカー(5ヘクタール)の土地が取引された」という記録まで残っています。

 しかし、チューリップの球根の値段は上がり続け、もはや誰も買うことができなくなるほどまでになってしまいました。そして、1637年、誰も買い手がいないとわかったとたん、チューリップの価格は暴落し、チューリップ・バブルは崩壊しました。

 これが世界で最初のバブルと言われています。

 さて、話を戻しましょう。

 金やダイヤモンドはキラキラと輝いていて美しいので、高いお金を払っても手に入れたいという人がいるのはわかります。

 また、お気に入りの美術作品を家に飾りたいという人の気持ちも理解できます。

 さすがに、チューリップと土地を交換する気にはなりませんが、チューリップの花はきれいだなと思います。

 でも、ビットコインって、実在すらしてないんですよね?

 ここで、先ほどのチャートを見て「ビットコイン、いいかも…」と思った方にお尋ねしたいのですが…

ハシオ
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ビットコインを集めていったい何が楽しいんですか?

 暗号資産の最大の問題は、中央銀行が存在していない点です。

 円やドル、ユーロ、ポンド、人民元などの通貨は、いずれも各国の政府がその価値を保証してくれているので、私たちは安心してその通貨を使用することができます。

 しかし、暗号資産は、誰もその価値を保証してくれません

 もし、政府が「明日からビットコインで決済するの、禁止ね」って通告すれば、その瞬間に市場が崩壊します。

 ちなみに、日本の不動産バブル崩壊も、1990年3月27日に大蔵省銀行局長から全国の金融機関あてに通達された「不動産融資総量規制」というたった1通の文書をきっかけに発生しました。

 暗号資産市場が崩壊するのも、きっと、ほんの小さなきっかけではないかと思っています。しかし、それがいつ起きるのかは誰にもわかりません。

 ただし、もし、あなたの家族や友人で、これまで投資に一切興味がなかった人たちが「暗号資産取引はじめてみようかな」って言い出したら、危険なサインです。

 1954年から38年間にわたり年平均15%の運用成績を残した投資家ジョン・テンプルトンは、こんな名言を残しています。

強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観とともに成熟し、陶酔の中で消えてゆく。悲観のときが最高の買い時であり、楽観のときが最高の売り時である。

ハシオ
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重要なのは、暗号資産にしろ、株式にしろ、金やダイヤモンド、美術品にしろ、相場に惑わされず、「自分だったらいくらで買いたいか」で判断することだと考えています。

 最後に、バブルに関する本を1冊紹介します。

 どうしても暗号資産に手を出したくなったときに、ぜひ読んでいただきたい本です。

※本ブログは、個別企業について投資(又は投資しないこと)を推奨するものではありません。

 投資判断は自己責任でお願いします。

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